
この連載では、海外の研究や論文、各種調査をもとに、企業卓上カレンダーの価値を新しい視点から読み解いていきます。研究結果をご紹介するとともに、20年以上企業卓上カレンダーに携わってきた私たちの経験や考察も交えながら、その可能性を探ります。
【vol.7】
人は、「見やすい」から使うのでしょうか。
〜人間工学と情報デザインから考える企業卓上カレンダー〜
少し想像してみてください。
日付の文字が小さい。
曜日が分かりにくい。
祝日が目立たない。
予定を書き込む欄が狭い。
前月や翌月が確認できない。
このようなカレンダーを、あなたは一年間使い続けたいと思うでしょうか。
おそらく多くの人は、「使いにくい」と感じるはずです。
しかし、その「使いにくさ」は、単なる好みの問題ではありません。
人間工学や情報デザインの分野では、人は情報を理解するまでに必要な負担(認知負荷)が小さいほど、迷いなく行動できると考えられています。
情報デザインの第一人者であるRichard Saul Wurman氏は、「情報は、多いことよりも、理解しやすいことが重要である」と述べています。
また、人間工学では、表示の見やすさや文字の判読性、情報の配置は、作業効率やミスの発生に影響を与える重要な要素として研究されています。
つまり、「見やすいデザイン」とは、見た目が美しいことではありません。
考えやすく、使いやすい状態をつくることなのです。
【参考文献・出典】
<書籍>
Richard Saul Wurman
Information Anxiety
<関連分野>
人間工学(Ergonomics)
情報デザイン(Information Design)
認知負荷理論(Cognitive Load Theory)
この研究を読んで、私たちが最初に感じたこと
私たちが最初に感じたのは、「見やすい」と「使いやすい」は同じではないということでした。
例えば、デザインとして美しいカレンダーでも、予定を書き込みにくければ仕事では使われません。
反対に、派手さはなくても、一目で日付が分かり、予定を書きやすく、月全体を見渡せるカレンダーは、自然とデスクに残ります。
仕事で毎日使う道具に求められるのは、「飾るデザイン」ではなく、「働く人を支えるデザイン」なのだと、改めて感じました。
私たちの仮説
ここからは、研究で証明されたことではありません。
20年以上企業卓上カレンダーに携わってきた私たちが、現場で感じてきた一つの仮説です。
企業卓上カレンダーのデザインは、「企業らしさ」を表現するためだけにあるのではありません。
使う人への配慮を形にするためにあります。
日付を少し大きくする。
余白を少し広くする。
前月・翌月を載せる。
ユニバーサルカラーを採用する。
ユニバーサルデザインフォントを使う。
六曜の有無を選べるようにする。
こうした一つひとつの工夫は、デザイン上の装飾ではありません。
「毎日使う人にとって、少しでも負担を減らしたい」という考え方の積み重ねです。
私たちは、その積み重ねこそが、企業の価値観を表しているのではないかと考えています。
企業卓上カレンダーから見えること
企業卓上カレンダーは、企業名やロゴを載せる商品です。
しかし、それ以上に大切なのは、「どう使われるか」です。
毎朝、予定を確認するとき。
電話をしながら日程を調整するとき。
来月の予定を考えるとき。
その一瞬一瞬で、使いやすさは仕事のしやすさにつながります。
私たちは、企業卓上カレンダーとは「企業をPRする商品」ではなく、一年間の仕事を支える環境をデザインする商品だと考えています。
もし使う人への配慮が細部にまで行き届いているなら、そのカレンダーは単なる販促品ではありません。
その企業の価値観を、毎日の使い心地として伝える存在になるのではないでしょうか。
【参考文献・出典】
<書籍>
Richard Saul Wurman. Information Anxiety.
<関連分野>
人間工学(Ergonomics)
情報デザイン(Information Design)
認知負荷理論(Cognitive Load Theory)
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