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企業卓上カレンダー学

この連載では、海外の研究や論文、各種調査をもとに、企業卓上カレンダーの価値を新しい視点から読み解いていきます。研究結果をご紹介するとともに、20年以上企業卓上カレンダーに携わってきた私たちの経験や考察も交えながら、その可能性を探ります。


【vol.1】
予定は、登録するだけで実行できるのでしょうか。
〜海外研究が示した「紙のカレンダー」の可能性〜

私たちは毎日、多くの予定を立てています。
会議、商談、納期、訪問、締め切り。
その多くはスマートフォンやパソコンに登録され、必要なタイミングで通知が届きます。

予定を「管理する」環境は、以前と比べて格段に便利になりました。
しかし、その一方で、こんな経験はないでしょうか。

「予定は入れていたのに、思うように進められなかった。」
「予定どおりに実行できなかった。」

予定を登録することと、予定を実行すること。
この二つは、同じようで少し違うのかもしれません。

そんな疑問に、一つの示唆を与えてくれる海外の研究があります。
2023年、米国の研究者らは、紙のカレンダーとモバイルカレンダーを使った場合で、日々の計画や予定の実行に違いが生まれるのかを調査しました。
その結果、紙のカレンダーを使用した参加者は、モバイルカレンダーを使用した参加者よりも、より現実的な計画を立てる傾向があり、実際に予定を実行できた割合(Plan Fulfillment)も高いことが報告されました。

研究者は、その理由として「予定全体を俯瞰しやすいこと」を挙げています。
紙のカレンダーでは、一か月全体の予定や空き時間、予定同士の関係を一目で把握しやすく、「この日に予定を入れても無理はないか」「他の予定との兼ね合いはどうか」といった判断がしやすくなるため、結果として実行可能な計画につながったと考えられています。

もちろん、この研究は「紙の方が優れている」と結論づけているわけではありません。
通知や共有、検索など、デジタルツールには多くの利点があります。
一方で紙には、「予定全体を見渡しながら考える」という役割があります。

つまり、両者は優劣ではなく、異なる価値を持った存在だと考えることができます。

【出典・参照先】
<論文>
Huang, Y., Yang, Z.,& Morwitz, V. G. (2023)
How Using a Paper Versus Mobile Calendar Influences Everyday Planning and Plan Fulfillment
Journal of Consumer Psychology
https://myscp.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jcpy.1297
<解説記事>
Baylor University Keller Center
Back to Basics: Don’t Ditch the Paper Planner
https://kellercenter.hankamer.baylor.edu/news/story/2023/back-basics-dont-ditch-paper-planner




この研究を読んで、私たちが最初に感じたこと


この研究を読んだとき、私たちが最初に感じたのは、「予定を実行すること」と「予定を覚えていること」は別の能力なのだということでした。
デジタルツールは、予定を忘れないための仕組みとして非常に優れています。

一方、紙のカレンダーは、予定を立てる段階で「本当にこの予定は実行できるだろうか」と考える時間を与えてくれます。

予定を見る。
予定を書き直す。
予定を入れ替える。

そんな小さな積み重ねが、結果として実行率につながっているのかもしれません。
この研究は、私たちに「予定は管理するものではなく、考えるものでもある」という視点を与えてくれました。


私たちの仮説


ここからは、研究で証明されたことではありません。
20年以上企業卓上カレンダーに携わってきた私たちが、現場で感じてきた一つの仮説です。

企業卓上カレンダーは、予定を書き込むためだけの道具ではありません。
デスクの上に置かれ、仕事中に何度も視界に入り、そのたびに予定を見返し、仕事の流れを考え、優先順位を見直す。
私たちは、この「何度も自然に見返す」という行為そのものに価値があるのではないかと考えています。

予定は、一度登録して終わりではありません。
状況は変わります。
優先順位も変わります。

だからこそ、何度も見返し、考え、調整することが大切です。
企業卓上カレンダーは、そのきっかけを与えてくれる存在なのかもしれません。


企業卓上カレンダーから見えること


市場では、企業卓上カレンダーは「販促品」と呼ばれることがあります。
もちろん、その役割もあります。

しかし、私たちはもう一つの見方があると考えています。
企業卓上カレンダーは、「一年を配る商品」ではありません。
一年をより良く使うためのきっかけを届ける商品です。

予定を管理するだけではなく、予定を考える。
仕事をこなすだけではなく、仕事の流れをデザインする。

もし今回の研究が示すように、紙のカレンダーがより実行可能な計画を生み出す一助になるのであれば、企業卓上カレンダーは単なる広告媒体ではなく、人の働き方や時間の使い方を支えるコミュニケーションツールとしての価値も持っているのではないでしょうか。

私たちは、その可能性をこれからも探り続けたいと思います。


【参考文献・出典】
<論文>
Huang, Y., Yang, Z.,& Morwitz, V. G. (2023). How Using a Paper Versus Mobile Calendar Influences Everyday Planning and Plan Fulfillment. Journal of Consumer Psychology.
<解説記事>
Baylor University Keller Center. Back to Basics: Don’t Ditch the Paper Planner.



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