「開発のきっかけは?」と聞かれると、今までにない商品や人まねでないものを創り、世の人に「便利さ」を提供したと考えたのが始まりです。
その何かを見つけるべく調査を始めて、おぼろげに「卓上カレンダーが面白そうだ」と考えながら1年半ほど過ぎたある日、たまたま目にしたあの光景はあまりに鮮烈で今でもハッキリ覚えています。
あれは仕事中のこと。調査に没頭しながら社内を見渡していると、女性の社員が卓上カレンダーケースから用紙を抜き差しを繰り返し、スケジュールをぎっしり書き込んでいるではありませんか。 用紙を抜かずに倒して書き込めたら楽だろうに・・・・。それだ!
閃光のごとくアイデアがひらめいた瞬間でした。
しかし、そのアイデアを実現する方法も試行錯誤したのですが、なかなか発見できません。
ところが、四六時中考えていると普段見過ごしているヒントに思わず遭遇するものです。
休日に立ち寄ったあるお店の店員が、CDケースカレンダー(旧来のもの)を持ち上げた時、台座になっているケースの半面がぶら下がって揺れていたのです。 そのぶら下がりこそ、私が求めていた答えでした。
早速、そのヒントをもとに研究開発に取り組み、さらに「良品質+利便性」を追求し、可動式台座を取り入れた“マルチ卓上カレンダー”が誕生しました。
開発後も改良を重ねる過程でクリアーにしてきた事柄は、
●開発直後の長い台座だったのを最小限に短くした。
●約100°の台座可動範囲を約200°に改良し、表面・裏面とも活用できるよう加工した。
●ケース結合を、“溶接”から“組み立て式”に変更し、ケースの湾曲を防止
その他の細かい改良点は幾つもありますが、大きな点では上記3つです。
このような商品開発の過程と様々な方のご協力を得て、現在あまたの方に利用されるまでになりました。
現状を考えるにあたり、商品そのものから見て“市場に受け入れられた要因”を分析すると、
デザイン性を最優先に考え、次に機能性を付加すると考えた商品コンセプトが、市場の“価値と価格のバランス”に於いて「割安で流通しやすい」と認識された事が最大の要因だと思われます。
現モデルのマルチ卓上カレンダーの完成度は80%程度。
まだまだ改良したい部分も幾つか有りますが、使う方のニーズを反映しながら今後も進化させます。
卓上カレンダーは“アナログ”ですが、世界規模でIT化が進む中でも、将来的にも必ず残る分野だと思われます。
生活の中で、絶対必要なものではありませんが、その姿かたちは変わっても卓上を飾るインテリア(ステーショナリー)として、皆様に使われ続けるでしょう。
その為には、私ども開発者が常に「使われ続ける為の“何か”」を皆様に提供し続けなければなりません。
卓上カレンダーを通して社会に貢献できるもの。
私はそれを「心の豊かさ」と考え、使い慣れた手帳のごとく「安らぎ」と「優しさ」を自然に感じて頂ける卓上カレンダーをこれからも提供し続けます。

